CRA（臨書開発モニター）に転職するときに給料がいくらもらえるかは、やっぱり気になりますよね。過去に経験してきた仕事であれば、ある程度は予想ができるのですが、まったく未知の仕事だと見当がつかない臨床検査技師の方も多いと思います。
では、以下でCRA（臨書開発モニター）の給料について見てみることにしましょう。
CRA・臨床開発モニターの給料・年収
CRA（臨書開発モニター）の給料の特徴として、入社して最初の数年間の金額は低いが、仕事を覚えると大きく上がることがあげられます。1年で年収が30万円上がることも珍しくありません。CRA未経験者として中途で入社して、数年が経過して仕事を覚え、会社の戦力になるとともに給料が大幅に上昇することが、CRA（臨書開発モニター）の給料の特徴と言えるでしょう。これは年に数千円のアップが多い病院とは異なる点です。
では、以下でCRA未経験者とCRA経験者に分けて、給料と年収がどのようになっているかを詳しく解説します。また、企業別にCRA（臨書開発モニター）の年収がいくらなのかも合わせて調べます。
他にもCRA（臨床開発モニター）へ転職して、年収・給料がアップした例もまとめましたので、参考にしてください。
CRA未経験者の給料・年収について
年収450万円前後の提示を受ける人が最も多い。
初めてCRA（臨床開発モニター）になる場合は、「臨床経験年数」「社会人の経験年数」「年齢」「持っている資格」「勤務地」「応募する会社の規模」「英語力」「面接での評価」など、色々な要素によって給料・年収が決まります。
応募する会社が異なると「提示された年収が50万円前後も違っていた！」なんてこともありますので、応募する会社はご自身の経験や資格を考慮して慎重な選択が求められます。
ただし、同じ会社で入社時の経験や年齢によって給料金額に差がつくことは少ないようです。なぜなら、未経験からCRA（臨床開発モニター）へ転職する場合、多くの応募者は社会人経験3年前後、年齢は30歳未満のため、それほどキャリアに違いがないためです。
CRA未経験者に対する初年度の給料提示額（見込み残業代を含む）
| A社 | B社 | C社 | D社 | E社 |
| 430～460万円 | 420～470万円 | 450～500万円 | 370～430万円 | 450～500万円 |
- 見込み残業代を含めて計算すると、各社それほど差はないと言えます。
CRA経験者の給料・年収について
CRA経験3～5年前後で年収500～600万円の提示を受ける人が最も多い。管理職経験があれば外資系への転職で年収1000万円以上も狙える。
CRA（臨書開発モニター）経験者が転職するときの給料・年収はCRA経験年数や担当してきた治験の領域、経験プロトコル数、契約数などの実績、部下の育成経験、面接の評価など、CRA（臨書開発モニター）としてどのような経験を積んできたかによって決まります。
特に1）管理職経験の有無 2）オンコロジーなど拡大する疾患領域での経験 3）英語力の3つは給料を大きく左右します。なぜなら、拡大している組織では管理職経験者の不足が顕著ですし、同様にオンコロジーや中枢神経系疾患などの領域の経験者も不足しています。また、国際共同治験の増加に伴い、英語力の高い人を求める企業も増加しています。ですので、給料アップを狙うには職務経歴書や面接でCRA（臨書開発モニター）としての経験と実績を上手にアピールすることが必要です。
CRA（臨書開発モニター）は一つの会社に長くいるよりも転職を2～3回重ねたほうが給料が上がることが多いようです。外資系に転職した場合に年収が100～200万円上がることも珍しくありません。
CRA経験者の給料・年収一覧（経験別）
| 経験年数 | 年収 | |||
| ～3年 | 450万円～500万円 | |||
| 3～5年 | 500万円～600万円 | |||
| 部下なし役職者 | 600万円～800万円 | |||
| 部下あり役職者 | 800万円～1200万円 | |||
- モニタリング業務が中心となる経験3年未満のCRAは年収～500万円です。
- 医療機関選定、プロトコール作成、申請処理ができるようになると年収が500万円を超えはじめます。
- 部下ありの役職者になると年収が800万円を超えはじめます。役職者として実績をあげると年収は大台の1000万円を超えるようです。
CRA経験者の給料・年収分布図（年齢別/50人中）
| 年齢 | 年収 | ||||
| 399万円以下 | 400～499万円 | 500～599万円 | 600～799万円 | 800万円～ | |
| 21歳～25歳 | 2人 | 2人 | -- | -- | -- |
| 26歳～30歳 | 3人 | 12人 | 9人 | 3人 | -- |
| 31歳～35歳 | -- | 2人 | 5人 | 6人 | 1人 |
| 36歳～40歳 | -- | -- | -- | 2人 | 2人 |
| 41歳～ | -- | -- | -- | -- | 1人 |
- CRA（臨床開発モニター）の年収は新卒で400万円弱、部長クラスで1000万円前後と言われています。給料の平均値は21～25歳は400万円前後、26～30歳は500万円前後、31～35歳は600万円前後、36歳以上は800万円前後です。
- 新卒や生え抜き組よりも、転職を重ねたほうが給料が上がる傾向があるのが特徴です。特に外資系企業へ転職をすると平均して100万前後の給料UPが見込めるようです。
企業別の給料・年収について
最高はシミックホールディングスの803万円。
企業別で給料・年収を調べてみると、上場企業のCROのCRA（臨床開発モニター）の従業員の平均年収は600万円強～700万円弱で推移しているところが多いようです。
2014年7月現在、CRO最大手の一社であるイーピーエス株式会社の平均年収が566万円、株式会社リニカルが678万円となっています。イーピーエスはCRA（臨床開発モニター）よりも給料が低いDM（データマネジメント）の比率が他社と比べて高いことが平均年収に影響しているようです。シミックホールディングスは持ち株会社ですので、必ずしもCRA（臨床開発モニター）の平均年収を表していませんので注意が必要です。
上場企業の平均年収一覧（2014年7月現在 yahoo!ファイナンス企業情報より）
| 企業名 | 平均年収 | 平均年齢 |
| シミックホールディングス(株) | 803万円 | 41.7歳 |
| イーピーエス(株) | 566万円 | 34.1歳 |
| (株)リニカル | 678万円 | 32.2歳 |
給料・年収アップ例
- 年収：580万→600万 内資→外資
- 臨床検査技師としてCRA（臨床開発モニター職）を経験するも、担当プロジェクトの不満を解消できないことから転職活動を開始。幅広い領域を経験できることに魅力を感じ、高年収のまま転職に成功。（30歳：臨床検査技師）
- 年収：480万→620万 内資→外資
- 自社の新薬開発の将来性に期待できないことから転職活動を開始。前職の経験が評価され大手外資製薬企業のCRA（臨床開発モニター）職として大幅な年収アップを勝ち取り転職に成功。（30歳：臨床検査技師）
- 年収：400万→450万 CRC→CRA
- 大学卒業後、2年程度CRCとして勤務。その後、臨床開発モニター職へ転職を決意。CRCとしての実績ならびにポテンシャルの高さが評価され、大手外資系企業に見事に転職が成功。TOEICの転職時のスコアは680点。（26歳：臨床検査技師）
- 年収：500万→600万 外資→内資
- 病院で3年間の勤務後に外資系のCRA（臨床開発モニター）へ転職。組織力に不安を感じて、転職を決意。今後の発展性が高い、中堅の国内製薬企業へチャレンジし、見事に転職に成功。住宅手当があることも年収を押し上げた。（32歳：臨床検査技師）
- 年収：350万→480万 臨床検査技師→CRA
- CRA（臨床開発モニター）職として勤務した後に、病院のコメディカル職に戻る。給料などの将来性の低さに疑問を持ち、再度、外資系のCRA（臨床開発モニター）へと転職。給料よりも再就職を優先したため、年収は前々職とほぼ同じ金額。（33歳：臨床検査技師）
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