臨床検査技師の仕事は、主に病院やクリニックで行う生理機能検査と、臨床検査センターで行う検体検査の二つがあります。こちらのページでは臨床検査技師の一日のスケジュールを病院・クリニックと、臨床検査センターの二つに分けて詳しく説明しています。
「臨床検査技師の一日って具体的にどんな感じなの?」「病院・クリニックと臨床検査センターでは何が違うの?」と疑問に思っている方はこちらをご覧ください。詳しいスケジュールだけではなく、現場の声や裏話もお話します!! では、臨床検査技師の一日を詳しく見てみましょう。
臨床検査技師の一日
病院・クリニックの臨床検査技師の一日
- 8:30
~
9:00 - 病院へ出勤
- 機械の立ち上げなどの診療の準備
- 当直担当者からの引き継ぎ
- 外来の準備
- 朝の採血は7時ごろから、夜勤明けの看護師が行うことが多いようです。当直の臨床検査技師は入院患者の採血を手伝ったり、検体を集めたりします。
- 9:30
~
13:00 - 午前の検体検査
- 入院患者の採血・検体回収
- 外来患者の採血・検体回収
- 輸血の準備
- 血液型などを間違えて輸血すると命をおとしてしまうため、絶対に間違いが許されません。事前に試験管の中で血液を混ぜあわせ、塊ができないか抗体反応を見たり、顕微鏡で確認したり、間違っていないかを何度も確認します。直前にも看護師と書類をつけ合わせ、氏名や生年月日などを読み上げ再度、確認します
- 血液、尿、痰などを調べる一般的な検体検査の実施
(血液を遠心分離器で分離した血清の入った容器を生化学自動分析装置に入れていく) - 病院に備えていない特別な試薬を必要とする検査は検査センターへ発注
- 午前の生理機能検査
- 採血
- 外来患者の検査
(心電図・心音図・脳波・筋電図・基礎代謝・肺機能・心血圧脈波・サーモグラフィ・腹部エコー・甲状腺エコー・心エコー・頸動脈エコー・MRI・聴力、眼底、眼圧など) - 検査をしている最中に急患が割り込んでくることもあります。そのような場合はチームで臨機応変に助け合って対応します。大至急の検査が重なるときもあれば、多数の新規患者が来院して、一心不乱に数をこなすときもあります。
- 健康診断の検査
(心電図、採血、腹部エコー、肺機能、聴力、眼底、眼圧など) - 病棟まわり
- 検査結果を仮の報告書にまとめる
- その他の庶務業務
- 13:00
~
14:00 - 昼食
- 昼食
(病院内の食堂で食べたり、休憩室で弁当を食べたります。)
- 13:00
~
16:00 - 午後の検体検査
- 入院患者の採血・検体回収
- 外来患者の採血・検体回収
- 輸血の準備
- 血液、尿、痰などを調べる一般的な検体検査の実施
(血液を遠心分離器で分離した血清の入った容器を生化学自動分析装置に入れていく) - 検査の手順は何十通りもあります。自分が担当する検査だけでなく、他の臨床検査技師が担当している検査もひととおりできるようにしておきます。「次は何をするんだって?」などと考えている時間はありません。
- 病院に備えていない特別な試薬を必要とする検査は検査センターへ発注
- 午後の生理機能検査
- 採血
- 外来患者の検査
(心電図・心音図・脳波・筋電図・基礎代謝・肺機能・心血圧脈波・サーモグラフィ・腹部エコー・甲状腺エコー・心エコー・頸動脈エコー・MRI・聴力、眼底、眼圧など) - 健康診断の検査
(心電図、採血、腹部エコー、肺機能、聴力、眼底、眼圧など) - 病棟まわり
- その他の庶務業務
- 16:00
~
17:30 - 業務のまとめ
- 検査結果を報告書にまとめる
- 機器の洗浄
- 明日の病棟分の検査スピッツの作成
- スピッツを各病棟に配布
- 学会の資料を作成
- 健診結果の事務・発送業務
- 病棟まわり
- 掃除
- 退勤
臨床検査センターの臨床検査技師の一日
- 8:30
~
9:00 - 検査センターへ出社
- 検体の回収
(全国の病院から何万件という検体が届けられます。そのなかから自分の担当部門の検体を回収します。検体は社員が病院に出向いて直接受け取ったり、航空便で送られてきたりとさまざまです。) - 機械と試薬のチェック
- 9:00
~
13:00 - 午前の検体検査
- 患者情報の入力
- 検体の分注・前処理
- 自動分析器で処理
(回収した検体を自動分析器にかけます。) - 一日に一人で1000件もの検体を処理することもあるため、周囲の協力が欠かせません。チーム一丸となって仕事に取り組みます。一日中同じ作業をくり返すため、かなりの根気が必要です。人によって向き不向きがあり、コツコツと作業をすることが好きな人に向いていると言われています。
- ピペットによる抽出作業
(手作業で行う検査もあります。) - 作業するときには白衣だけでなく、マスク、ゴム手袋もつけます。場合によっては防御メガネ、強制換気装置、専用操作台なども利用します。なぜなら、検体のなかには直接触れると危険なものもあるため、感染しないように完全防備をして仕事をします。ちょっと怖いですね。
- 問い合わせへの応対
- 検査報告書の作成
- 13:00
~
14:00 - 昼食
- 昼食
(検査センター内の食堂で食べたり、休憩室で弁当を食べたります。)
- 14:00
~
15:00 - 午後の検体検査
- 患者情報の入力
- 検体の分注・前処理
- 自動分析器で処理
(回収した検体を自動分析器にかけます。) - ピペットによる抽出作業など
(手作業で行う検査もあります。) - 問い合わせへの対応
- 15:00
~
17:00 - 片付け・業務のまとめ
- 機械のメンテナンス
- 一人で機械を何台も受け持つことも多いようです。間違いは許されませんし、処理する検体は次々に運ばれてくるし、身体的になかなか大変です。メンテナンスの必要な装置であれば、正しい保守管理方法を覚えて、常に万全の体制を整えておく必要があります。
- 検査試薬の作成
- 検査試薬の在庫管理
- 外注業務
- 翌日の検査準備
- 業務報告書の作成
- 17:00
~
17:30 - スキルアップ
- 勉強会
- 検査できる項目は1000以上あることも多く、細かく担当が分けられています。血液・一般・生化学・微生物・CLIA・FEIA・免疫・遺伝子・病理などのさまざまな部署をジョブローテーションしてキャリアをつんでいくのが主流です。そのためにも日々の勉強は欠かせません。
- 学会の資料作成
- 退社
- 多くの検査センターは夜勤があります。そのため出退勤の時間は不規則になることが多いです。時々夜勤がない部署もありますが、給料が安かったりして一長一短があるようです。